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相続放棄してもアパートの片付けや家財道具の遺品整理は可能?

相続放棄アパート家財道具のイメージ

相続が起こった場合、被相続人に借金がある場合などには、相続放棄をすることがあります。
この場合、被相続人が住んでいた空き家や契約していた賃貸アパート、家財道具などの処理はどうすればよいのでしょうか?賃貸人(大家)から解約を求められた場合に相続人が勝手に応じても良いのかなどが問題になります。
また、相続放棄をした場合に遺品整理だけでなく、形見分けをすると、相続放棄の効果がなくなってしまうなどの問題が発生するのかも抑えておかないと、相続放棄の効果が得られなくなってしまうおそれもあります。
そこで今回は、相続放棄した場合の故人の家や家財道具の処理方法について解説します。

 

■1.相続放棄とは

相続が起こった場合、被相続人が借金をしているケースがあります。このような場合、相続人が何もしないと、借金も相続人に引き継がれてしまいます

借金を相続しないためには、相続放棄という手続きを行う必要があります。

相続放棄とは、相続をまったくしないことを裁判所に申述することです。相続放棄すると、法定相続人であっても、まったく被相続人の財産や負債を相続することがありません。

このとき、借金だけではなく、プラスの財産も相続しなくなることには注意が必要です。

相続放棄するケースは、被相続人に借金があるケースだけではありません。

たとえば、兄弟が相続人の場合で、長男にすべての相続分を譲るために弟や妹が相続放棄する事例などもあります。

 

■2.財産を処分すると単純承認となる

相続放棄する場合、遺産の取り扱い方法には注意が必要です。法律上、相続財産についての「処分行為」をすると、相続を単純承認したとみなされて、相続放棄ができなくなってしまうからです。

処分行為とは、たとえば相続財産を売却したり抵当権の設定をしたり、賃貸に出したり壊したりする行為のことです。

相続放棄をしたい場合には、勝手に相続財産を処分してはいけないことになります。

もし自己判断で処分すると、単純承認となって相続放棄ができなくなり、借金も一緒に相続しないといけなくなるからです。

相続放棄をする場合に相続財産についてしても良い行為は、相続財産の「保存行為」に限られます。保存行為とは、相続財産の保存に必要な行為を意味します。

 

■3.故人の家が持ち家だったケース

相続した場合、故人の家の処分が問題になることがあります。まずは、家が故人の持ち家だったケースを考えてみましょう。

この場合、相続人が家を解体したり売却したりすることができるのかが問題になります。

 

相続人が相続放棄をした場合、家を解体したり売却したりするなどの財産処分をしてはいけません。これらの処分行為をすると、単純承認となって相続放棄が認められなくなります。

ただし、家の解体ができないからと言って、相続人に何らの責任もなくなるわけではありません。

確かに相続放棄をすると、固定資産税の支払いは免除されますが、相続放棄した相続人には依然として相続財産の管理責任があります。きちんと管理せずに他人に迷惑をかけた場合には、相続人が第三者に対して損害賠償責任などを負う可能性もあります。

 

相続人が遺産についての管理責任を免れるには、相続財産管理人を選任する必要があります

相続財産管理人を選任するためには、家庭裁判所に申立をします。裁判所で審判があって相続財産管理人が選任されたら、ようやく相続財産である不動産を相続財産管理人に引き渡し、相続人は管理義務を免れることができます

このように、相続人が相続放棄をしても、簡単には相続人の義務を免れることはできません。

相続放棄と相続財産管理人の手続きを終えて、はじめて解放されることになります。

 

■4.故人の家が賃貸物件だったケース

次に、故人の家が賃貸物件だったケースを見てみましょう。

この場合、通常は誰も賃料を支払わなくなるので、大家は賃貸契約を解除することになるでしょう。それでは、相続放棄した相続人が、解除手続きをすすめてしまって良いのでしょうか?

相続人が相続放棄をしたら、賃貸人である地位も相続しません。よって、相続人は無権利者なので、大家が賃貸借契約の解除をしてきても、相続人がそれを受けることができません。

ただ、賃貸借契約を承継する人がいないので、賃貸借契約自体は終了することになるでしょう。

 

この場合、賃貸住宅の中に残された残置物の処理が問題になります。

 

■5.家財道具の処理について

被相続人が賃貸住宅に住んでいた場合、住居内に残置物家財道具が残っている場合にそれをどのように処分するかという問題があります。アパートの片付けをどうするかと言うことです。

この場合、大家から相続人に対して残置物や家財道具の処分を求められることが多いです。

確かに、使い古された家財道具などには一見価値がなさそうなので、相続人が処分してしまっても問題がなさそうにも思えます。

しかし、価値がなさそうに見えても、細かく見ていくと換価価値があるものもあるかもしれません。

このような物を一括して処分してしまうと、そのことが相続財産に対する処分行為とみなされ、単純承認が成立してしまうおそれもあります

 

そこで、相続放棄するなら被相続人の家財道具を勝手に処分してはいけません

ただ、そのまま家財道具や残置物を放置していると、大家に対しては多大な迷惑をかけることになってしまいます。

大家から家財道具の処分や残置物の撤去を求められても処分ができないとなると、どのような対応をとるべきでしょうか?

この場合、費用的な問題を無視するのであれば、トランクルームなどを借りて外で保管するのが一番良いです。しかし、外に倉庫などを借りると毎月最低数千円の費用が発生します。誰も相続しない、不要な物の保存のためにそこまで費用をかけられないということが普通でしょう。結局は、迷惑をかけてもそのまま放置しているか、相続人が自宅に引き上げて管理するなどの方法をとるしかなくなります。

 

どうしても処分しないと行けない場合には、やはり相続財産管理人を選任して、家財道具などの引き渡しをして管理してもらうことになります。

 

■6.形見分けはできるのか?

相続したくないので相続放棄した場合、被相続人の遺産整理をして形見分けができるのかという問題があります。

有効に相続放棄をするためには、法廷単純承認にならないために、財産の処分をしてはいけません。相続財産の一部であっても、それを自分のものとすると、単純承認になってしまうおそれがあります。

 

ただ、明らかに交換価値のないものを、最低限の形見分けとして受け取る限度においては、単純承認には当たりません

たとえば、被相続人が着古した上着とズボンなどの衣類や、スーツの上下、冬のオーバー、スプリングコート、位牌などを持ち帰った場合、交換価値のない時計や椅子などを形見分けしてもらった場合などには、法定単純承認は成立しません

判例でも、上記のような例で法定単純承認が否定された事案があります。

 

ただし、形見分けの範囲を超えて家財道具一式を持ち帰って自分のものとしたり処分したりした場合には、法定単純承認となる可能性があるので、注意が必要です。

 

以上のように、相続放棄をしても簡単には相続人の義務は無くなりません

法定単純承認とならないように適切に対処するには、相続財産管理人の選任などの手続きが必要になるケースもあります。弁護士に依頼した方が安心ですし、手続きがスムーズに進むことが多いでしょう。

 

■まとめ:知らずに相続財産を処分しないために弁護士に相談を

今回は、相続放棄した場合に被相続人が居住していた家や賃貸アパートの処理がどうなるのかについて解説しました。

相続放棄をした場合には、相続財産を処分すると法定単純承認となって相続放棄ができなくなってしまいます

被相続人が持ち家に住んでいた場合には、家庭裁判所に申立をして相続財産管理人を選任してもらう必要があります。賃貸住宅に住んでいた場合にも、残置物や家財道具の処分を勝手にすることは認められません

相続放棄した場合にスムーズに義務から免れるには、弁護士に相談すると安心です。

 

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