相続放棄後の財産の管理
被相続人が、倒壊の危険のある古家屋を残して亡くなった場合、相続人が相続放棄すると、相続財産である古家屋はどうすればいいのでしょうか?
相続放棄をすれば相続人ではないのだからもう関係ないとはいえません。相続放棄した相続人は、「自己の財産におけると同一の注意義務をもって管理を継続」しなければなりません。
他に共同相続人がいる場合は、その者が相続財産の管理を開始してはじめて、相続放棄した相続人の管理義務が消滅します。ですから、その間に、倒壊の危険が現実化したら、至急家庭裁判所に相続財産管理人の選任(後述)を請求しなければなりません。
全ての相続人が相続放棄した場合には、管理を引き継ぐべき相続人が誰もいないことになりますが、いつまでも「自己の財産におけると同一の注意義務をもって管理を継続」するわけにはいきません。どうすればいいのでしょうか?
この場合は、民法951条の相続人のあることが明らかでないときに該当するものとして、管理を継続している相続人が利害関係人として家庭裁判所に、相続財産管理人の選任の申立をして、その選任された相続財産管理人に財産(古家屋)の管理を引き継ぎます。
このように、「財産管理の継続」と「相続財産管理人の選任」というやっかいな問題を抱える相続放棄の案件もありますので、相続放棄は、相続財産管理人の業務にも精通した当事務所にご依頼ください。当事務所所属の弁護士は、いずれも相続財産管理人の経験が豊富で、このような管理業務に精通いたしております。