Aさんの夫は、財産らしいものを残さず死亡したので、Aさんは特に相続手続きを取らないまま6か月経過した頃、夫が結婚前に消費者金融から借りていた貸金の督促状が届き、相続放棄した事案。
・夫死亡時に死亡の事実を知る
・死後6か月経過しての相続放棄
・財産を残さずに死亡
・債務の存在を知らなかった
夫の死亡日:平成27年4月3日
相続開始を知った日(熟慮期間起算日):平成27年10月16日
相続放棄申立日:平成27年12月18日
➀夫の債務はAさんと知り合う前に借りていた債務で、結婚後も夫が自分の小遣いから返済していたため、Aさんはこの債務の存在に全く気付いていませんでした。
⓶夫には相続財産というものがなかったので、敢えて相続財産の調査をすることを期待することもできない。
相続放棄期限の3か月を経過しておりましたが、申立書では、Aさんが夫の債務の存在に気が付かなかった事情を詳しく説明した上申書を作成し、3ヶ月の起算点を
に繰り下げて相続放棄を申立てた結果、無事受理されました。
本件も、死亡後(相続開始を知った時から)3ヶ月が経過しても相続放棄できる典型例の一つです。
死亡後3か月の期間が過ぎている場合でも、相続放棄ができる可能性は十分ありますので、諦めずに3か月を経過した相続放棄の扱いに熟知した弁護士に依頼することを強く勧めます。
3か月経過型は難しい場合が多いので、ご自分で申立てると「却下」される恐れがあります。
「却下」されると不服申し立ての期間は2週間しかありません。
「却下」されてから慌てて弁護士に依頼しても、2週間で戦略を立てて不服申し立てをするのは、至難の業ですのでご注意ください。